女性向けニュースレターメディア「theSkimm」が6億円調達――メールというメディアの可能性

theSkimm

NBCのプロデューサーであった2人の女性が立ち上げたニュースレターメディア「theSkimm」が、ベンチャーキャピタルから$625万(約6億2500万円)の資金調達に成功しています。このソーシャルメディアの時代に、ニュースレターというメディアの可能性を象徴するようなニュースです。

theSkimmは、Danielle Weisberg(ダニエル・ウェイスバーグ)さんとCarly Zakin(カーリー・ザーキン)さんという2人の女性が、2012年に立ち上げたスタートアップ。ターゲットは20代〜30代半ばの女性であり、毎日の始まりに、読むべきニュースをキュレーション&要約したニュースレターが届くサービスです。

theSkimmをつくるきっかけは、NBCで働いていた2人が気付いた3つのことにあるといいます。「ニュースを読むのは時間がかかること、読みたいニュースを探すのは娯楽であること、みんながみんなニュースを読む時間やニュースへの興味があるわけではないこと」。ホームページには、そのコンセプトがシンプルにこう書かれています。

We read. You Skimm.
私たちがニュースを読むから、あなたたちはスキミング(ざっと目を通すこと)して。

登録は無料。ユーザーは100万人を超え、メール開封率は45%ほどだそう。マネタイズはスポンサーを入れることで行っています。調達したお金を使って、今後は動画やアプリといったプラットフォームを手掛けていくといいます。

theskimm2最初に「今日の引用」。ニュースは「なぜ大事なのか?」などの小見出しとともに要約されています。

2人のビジョンは、「ニュースをライフスタイルブランドにすること」。

田端信太郎さんの『MEDIA MAKERS』で、Financial Timesの紙がピンク色の理由は、FTを持っていることで一目で金融界のエリートとわかるからだという話がありました。theSkimmも、そのユーザー(Skimm’er)であること自体をかっこいい、自慢できることにしたいという意味でしょう。

司会者として有名なオプラ・ウィンフリーも”Skimm’er”であるとツイートしています。

 

メールは良質な情報フィルターに

このソーシャルメディアの時代に、あらためてニュースレターを使うメディアが増えています。theSkimmがこのような資金調達に成功したのも、ニュースレターの可能性を示しているように思いました。

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その可能性とは、良質な情報のフィルターとなること。タイムラインには大量の情報が流れますが、その中から本当に大切なものを見つけるためのフィルターです。

American Press Instituteのライター Millie Tran(ミリー・トラン)さんは、2015年のメディアの動きを予想したコラム「Smart filters on the rise」で、”スマートフィルター”の役割をこのように書いています。

これは正しい情報を特定し、何が大切かを示し、(新しいニュースと)すでにある知識との適切なコネクションをつくるような、信頼できるフィルターのことです。

また日々届くニュースレターは朝刊のように習慣になり、ファンをつくることができるともミリーさんは書いています。

millie tran

ニュースレター以外にも、NYTの「NYT Now」やYahooの「Yahoo News Digest」、First Look Mediaの「reported.ly」なども情報のスマートフィルターを目指していると言えるでしょう。

情報量が多過ぎるいま、本当に価値あるニュースだけを届けるサービスが求められているのだと思いました。

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(via NYT, Gigaom

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