ジェフ・ベゾスがWashington Postを買い取って1年――ベゾス体制のWaPoが取り組む3つの戦略

jeff bezosPhoto Credit: Mathieu Thouvenin via Compfight cc

Amazonの創業者でありCEOのジェフ・ベゾスさんが、2013年8月にWashington Postを買い取ってから1年が経ちました。ベゾス体制になり、今まで以上にさまざまな実験を行っているWashington Postの3つの戦略をまとめてみます。

 

1. 実験的なオンラインメディアの立ち上げ

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1つ目はオンラインメディアの実験。Washington Postはこの数ヶ月で、「PostEverything」「Storyline」「Get There」「The Most」と、新たなメディアを続々と立ち上げています。

PostEverything:議論を広げるWashington Postの新オピニオンサイトがローンチ
Storyline:政策を”ストーリー”で解説するWashington Postの新メディア
Get There:Washington Postがお金に関する新メディアをローンチ
The Most:Washington Postがアグリゲーションメディアをローンチ

オピニオンメディア、ストーリーを重視した解説ジャーナリズム、”お金”というワントピックに絞ったメディア、そして多数のパートナーと組んだアグリゲーションメディアと、短期間に異なる種類のオンラインメディアを立ち上げるところにトライ&エラーの姿勢を感じます。

 

2. ローカル紙とのネットワークづくり

wapo experiment2パートナーのローカル紙 via Google Map

2つ目はローカル紙とのネットワークづくり。Washington Postは今年5月、同紙とパートナーを組んだ地方紙の購読者が、Washington Postのデジタル版を無料で購読できるサービスを開始。スタート時には6紙だったパートナーが、1ヶ月も経たないうちに100紙近くに、現在は120にまで増えています。

参考:ワシントン・ポスト、ベゾス流”全国紙”への道(島田範正のIT徒然)
   ワシントン・ポストのパートナーが急拡大。ベゾスの狙い通りか(島田範正のIT徒然)

このねらいは、オンラインの読者層を全国にまで拡大すること。ローカル紙にとっては地元読者への宣伝になり、Washington Postにとってはコストをかけることなくオンラインの読者を増やせる。まさにWin-Winの関係を築くシステムなのです。

ちなみに今年7月のWashington Postのユニークユーザー数は、去年に比べて63%もアップしているとのこと。オンラインメディアの実験やローカル紙とのネットワークづくりがうまくいっているのでしょう。

 

3. ライブイベント

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3つ目はライブイベント。Washington Postは先日、「交通」「食」「学校」といったテーマについて、地方レベルで問題解決策を考えるイベントシリーズ「America Answers」を10月から開催することを発表しました。

参考:ワシントン・ポストによる全米のイノベーションを共有するイベント「America Answers」(メディアの輪郭)

America Answersの目的のひとつは、地域を超えて拡張できるオリジナルなイベントシリーズをつくることです。

と、Washington PostのKevin Gentzel(ケヴィン・ゲンゼル)さんは言います。ねらいはローカル紙とのネットワークと同じで、読者層を全国に拡大することなのでしょう。

 
さまざまな戦略をとっているベゾス体制のWashington Postですが、いずれもメディアとして扱う領域や、情報を届ける読者を拡大していく方向に働いているものだということがわかります。ロンドンに初の販売部をつくり、国内だけでなく国外への進出も始めているWashington Post。今後もベゾスの革新は続きそうです。

(via Gigaom

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