De Correspondent:クラウドファンディングで1億7千万円集めた、オランダのオンラインジャーナリズム・スタートアップ

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オランダで、クラウドファンディングで1億7千万円の資金を集めてできたオンラインジャーナリズム・スタートアップ「De Correspondent」が9月にオープンしました。

サイトができる前から、なぜこんなにも多くの寄付を集めることができたのか。従来のジャーナリズムとはどこが違うのか。人口1600万人のオランダで、24,000人もの有料会員を獲得している魅力は何なのか。簡単にポイントを紹介したいと思います。

 

De Correspondentは、いかにして始まったのか

De Correspondentを創設したのは、国を代表する新聞NRC Handelsbladの「NRC Next」という若者向けメディアの編集長をしていたRob Wijnbergさんと、同じくNRCのウェブ版編集長を務めていたErnst-Jan Pfauthさん。元々オランダのトラディショナル・ジャーナリズムのなかでも知名度のある若手2人がはじめたことが、多額の資金を集めた理由のひとつでしょう。

さらに2013年の3月18日、オランダで最も人気のあるTV番組のなかで、RobさんはDe Correspondentの計画を打ち明けます。このトークショーの最中、緑の党の元党首・Femke Halsemaさんと、ジャーナリストのJelle Brandt Corstiusさんの2人は、クラウドファンディングでの資金集めが成功した場合にDe Correspondentに協力することを約束。番組が放送された1時間の間に、5000人以上の人々が$80(約8000円)の投資をしたのでした。

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その1週間後には、クラウドファンディングによる資金集めは目標金額に到達。最終的には18933人が協力しました。

そこから5ヶ月を経て、ウェブサイトやアプリの制作、編集部のメンバー集めといった準備を完了。2013年9月にDe Correspondentはスタートしたのでした。

 

ニュース以上の情報を

De Correspondentは、なぜここまで多くの人々に支持されているのか。その理由は、単なるニュース以上の情報を伝えるところにありそうです。Robさんは、プロジェクトが始まる前のマニフェストでこのように書いています。

De Correspondentでは日々の事件や事故を報道するだけでなく、深い理解と長期的な視点を持って、我々の生活に直接影響する問題を伝え、説明していく。

政治家や有名人のスキャンダルや失言、政治の動きやスケジュールを追うことばかりに偏りがちな現在のジャーナリズム。そうではなく、もっと読者の生活に身近な問題を深く調査し、伝えていく。そのような姿勢があるからこそ、多くの人々が購読料(年間$80)を払ってでもDe Correspondentを読みたいと思えるのでしょう。

この考え方は、『アメリカ・メディア・ウォーズ』で取り上げられていた、「QOLを向上させる報道」を行うNPOメディア・Voice of San Diegoに近いものがあるのかもしれません。

 

読者とともにつくる”gardens”

“gardens”と呼ばれる、それぞれの記者の得意な分野ごとに設けられたページが今後はできる予定とのこと。これは、記者と読者のコミュニケーションの場です。

読者がそれぞれの専門知識と経験を活かして参加できるようなしくみをつくりたいと思っている。たとえば読者のなかに医者がいた場合、医療ジャーナリストよりも多くの知識を持っているかもしれない。gardensは、彼らの知識を記者とシェアできるような場所にしたい。

と、Pfauthさん。ゴールは「読者との有意義で持続的な関係をつくること」と言います。

 
また、ウェブサイトやアプリ上に広告は一切なし。その理由は「De Correspondentは営利組織ではあるが、そのビジネスモデルは読者を広告主に売ることではなく、読者にコンテンツを売ること」だから。広告に頼らないマネタイズ方法も、従来のジャーナリズムとは異なるポイントです。

最後にDe Correspondentのメンバーが登場するビデオ「About De Correspondent」を紹介します。これからの活躍に注目していきたいと思います。

(via Medium, GIGAOM

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